LINEの月間利用者は9,700万人と日本国内で最も多くのユーザーを持ちます。この圧倒的なユーザー基盤を持つLINEを広告媒体として活用すれば、理想の顧客に効率的にアプローチして成果を最大化することができます。
LINE広告のターゲティング方法は、豊富にあり最適な設定や運用を目指すには一定のノウハウが必要となります。
この記事では、LINE広告のターゲティングの種類について特徴や効果的な活用方法などを詳しく紹介します。この記事を活用いただき、ターゲティング戦略の成果向上につなげましょう!
「LINE広告でのターゲティングの種類を知りたい」「効果的なターゲティング設定のコツを知りたい」などの情報を求めている方におすすめです。
LINE広告のターゲティングの特徴

LINE広告は、ユーザーの属性やLINEアプリ内の行動を基に非常に細かくターゲティングできる点が特徴です。広告はトークリストやLINE VOOM、LINE NEWSなど、LINEアプリ内のさまざまな場所に配信できます。
調査会社によると、スマホユーザーの80%以上がLINEを利用しており、その中でLINEしか使っていないユーザーは40%以上です。つまり、LINE広告を使うことで他のSNSではアプローチできないユーザーにも情報を届けらメリットがあります。
LINE広告が持つ、多様なターゲティング方法を駆使して自社の商品やサービスを購入してくれそうなユーザーに絞ることで、広告の費用対効果を高められます。
LINE広告の配信方法の種類は?

LINE広告の主な配信機能は以下の2つです。
それぞれ、使用するデータが異なり「特定のターゲットに広告を配信したい場合」と「関連するターゲットも含めて広告を配信したい場合」とでどちらを選択すべきかが異なります。
オーディエンスセグメント配信 | ユーザーの性別、年齢、地域、OS、趣味・関心、行動、属性などで分類されたユーザーの基本属性を利用してターゲティングする方法です。 データは「みなし属性」であるため、精度は低くなります。 |
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オーディエンス配信 | 広告主が保有するユーザーデータを利用して特定のユーザーに直接広告を配信する方法です。実行動や実情報を使うため、より精度の高い広告配信が可能です。 |
それぞれの配信方式のより詳細なターゲティングの種類について以下で解説していきます。
オーディエンスセグメント配信|ユーザーの基本属性を指定して広告配信する
ユーザーの年齢、性別、地域、趣味・関心などの基本属性を指定して配信する方法で、広い範囲で高い精度の配信ができます。
このデータは、LINEアプリ内の各サービスでユーザーが登録した情報やスタンプ購入履歴などの行動データから推定された「みなし属性」に基づいています。
年齢ターゲティング
15歳から64歳まで5歳刻みで設定できます。15歳未満をターゲットにしたい場合は「14歳以下」を選択し、65歳以上をターゲットにしたい場合は「65歳以上」を選択します。
性別ターゲティング
「すべて」「男性」「女性」の3つから選択することができ、商材の特性に合わせて選びましょう。
例えば、男性用化粧品の場合、利用者本人がターゲットであれば「男性」を。男子絵への贈り物を探す女性がターゲットであれば「女性」を選択します。
地域ターゲティング
配信対象とする「ユーザー」と「地域」を指定することができます。
例えば、都内で働いている神奈川在住のユーザーにアプローチする、という使い方があります。
ユーザー | この地域に住んでいる人・働いている人・最近いた人 この地域に住んでいる人・働いている人 この地域に住んでいる人 この地域で働いている人 この地域に最近いた人 |
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地域 | 都道府県や市区町村単位での指定 特定の住所を中心とした半径を1km~50kmでの指定 |
OSターゲティング
ターゲットユーザーが使用する端末の各OSのバージョンを指定することができ、「すべて」「Android」「iOS」から選択することができます。例えば、iOSアプリのダウンロードを目標とする場合はiOSのみを選びましょう。
詳細ターゲティング
「趣味・関心」「行動」「属性」「購買意向」の4つのカテゴリでユーザーを絞って広告を配信できます。複数のターゲティング設定を作成してAND条件やOR条件で組み合わせることで、より柔軟なターゲティングが可能になります。
カテゴリー | 詳細 |
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興味・関心ターゲティング | 「ファッション」「自動車」「食べ物飲み物」などの24種類に分類されており、さらにその中で細かく分類されています。 例えば、「ファッション」はさらに「アクセサリー」「バッグ」「レディースファッション」などに分類されています。 |
行動ターゲティング | 10種類に分類されており、例えば「テレビ視聴頻度」は「高い / 平均 / 低い」から選択できます。 |
属性ターゲティング | 10種類に分類されています。 例えば「配偶者」は「既婚 / 未婚」から選択できます。 |
購買ターゲティング | 「自動車」「美容・コスメ」「暮らし・子育て」などの17種類に分類されています。 例えば「自動車」はさらに「価格帯」「ボディータイプ」などに分類されています。 |
最新情報は、公式サイト「LINE広告オーディエンスセグメントを利用して配信するマニュアル」をご覧ください
ビジネスマネージャー
LINE内で得られたデータと企業が保有する電話番号やメールアドレスなどの独自データを統合し、LINE内外を横断したプロモーションやキャンペーンを実現するデータ活用基盤です。昨今サードパーティCookieに対する規制が進む中、LINE内外を横断できる機能はより重要性を増しています。
ビジネスマネージャーは、2023年春に終了した「クロスターゲティング」の代替・拡張機能で、今後はさらなる機能拡充が予定されています。
オーディエンス配信|ユーザーデータに基づいて広告配信する
企業が保有するユーザーデータを基にオーディエンスを作成し、配信する方法です。オーディエンスセグメント配信の「みなし属性」ではなくユーザーの実際の行動や情報を基にするため、より高い精度を実現できます。
オーディエンス配信の種類について、以下で具体的に解説していきます。
ウェブトラフィックオーディエンス
特定のウェブサイトの訪問経験があるユーザーや会員登録などのイベントに至ったユーザーを基にターゲティングする方法です。ユーザーの訪問時期は1日前~180日前の範囲で指定できます。
- サイトを訪問したものの会員登録せずに離脱したユーザーに、サイトの再訪と会員登録の広告を配信する
- 無料会員登録したユーザーに有料会員登録を促す広告を配信する
- ECサイトを訪れたものの購入に至らなかったユーザーに対して、購入特典の広告を配信する
モバイルアプリオーディエンス
アプリ内でのイベントを基にターゲティングする方法です。
イベントは、「オープン」「インストール」「ホーム閲覧」「カテゴリ閲覧」「商品閲覧」「検索」「カート追加」「購入」「レベル達成」「チュートリアル完了」「カスタムイベント」の11種類から選択できます。
- アプリをインストールしたユーザーに対して新規イベントのプロモーションを行う
- ゲームアプリのチュートリアル完了者に対してさらなる課金を促す広告を配信する
IDFA/AAIDアップロード
iOSの「IDFA」とAndroidの「AAID」という端末固有情報でターゲティングする方法です。企業が保有するIDFA/AAIDデータをLINE広告にアップロードします。例えば、アプリのダウンロードのように電話番号やメールアドレスなどの情報を取得できない場合に有効です。
電話番号アップロード(個人情報に扱いに注意)
企業が保有するユーザーの電話番号をLINE広告にアップロードしてターゲティングする方法です。
例えば、商品購入やサービス登録時に取得した電話番号を活用することで、既存顧客に対するリターゲティング広告を実現できます。ただし、個人情報を扱うため注意が必要です。
メールアドレスアップロード(個人情報に扱いに注意)
企業が保有するユーザーのメールアドレスをLINE広告にアップロードしてターゲティングする方法です。
例えば、問い合わせの多い顧客や、過去に接点のあった顧客に対してリターゲティング広告を配信する使い方があります。ただし、個人情報を扱うため注意が必要です。
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス
企業のLINE公式アカウントの友だちをターゲティングする方法です。友だち登録されていることは企業への関心が高い可能性があるため、高い効果を見込めます。
例えば、LINE公式アカウントの友だちに購入意欲を高める広告を配信したり、友だちの類似ユーザーに配信することで潜在層への認知拡大を期待できたりします。
一方、ブロック中のユーザーに対しては、再アプローチで関心を引き戻したり、ブロック中のユーザーを除外して無駄な広告の削減ができたりします。
類似オーディエンス
既存のオーディエンスを基に、そのユーザーと行動が似ている別のユーザーをターゲティングする方法です。
例えば、コンバージョン(CV)ユーザーやLINE公式アカウントの友だちをソースオーディエンスに設定すれば、CVや友だち登録の可能性を高められます。
類似オーディエンスでは、オーディエンスサイズを1%から15%の範囲で1%刻み、もしくは自動から選択できます。サイズが大きいほどリーチが広がりますが類似度は低くなり、サイズが小さいほどリーチは狭まりますが類似度は高くなります。ニッチな商材のプロモーションや新規顧客開拓にも有効な方法です。
動画視聴オーディエンス
動画広告の視聴状況を選択してターゲティングする方法です。
「動画をクリックした」から「動画を再生した」「動画を〇〇%再生した」など視聴状況に応じた選択が可能になります。視聴状況とユーザーの関心は連動する可能性が高いため、関連情報の再配信によりコンバージョンを期待できます。
画像クリックオーディエンス
画像をクリックした人をターゲティングする方法です。このオーディエンスの有効期間は広告クリック後180日間となります。画像をクリックしたユーザーは商品への関心が高い可能性があるため、関連情報の再配信により高いコンバージョンを期待することができます。
LINE広告の配信箇所はどこ?

LINE広告はトークリストをはじめ様々なサービスに配信することができます。さらに、LINE広告ネットワークを通じてLINE以外のアプリにも配信できます。ただし、配信面は自動で選択され広告主は指定できません。
そのため、広告の見え方や効果の最大化には、各配信面の特徴に合わせたクリエイティブの準備が重要です。以下で、具体的な配信箇所を解説していきます。
画像出典:LINE広告の配信面一覧|LINEヤフー for Business
トークリスト|ユーザーのアクティブ率が高い
LINEアプリのトークリストはユーザーのアクティブ率が非常に高く、広告表示に最適な場所です。
特に「Talk Head View」というサービスでは動画広告を1日1社限定で配信でき、5,000万以上のユニークユーザーにリーチできるとされています。商品やサービスの大規模なプロモーションに最適です。
LINE NEWS|即時性のあるコンテンツに最適
月間利用者数7,700万人以上と高いアクティブユーザー数を誇り、LINEアプリ内に加え400を超えるアカウントメディアにも広告を配信できます。
LINE NEWSの利用ユーザーは利用していないユーザーよりも購買率が高いとされているため、新製品の発売情報に最適です。
LINE VOOM (旧タイムライン)|ユーザーのブロック状況に影響されない
月間利用者数6,800万人以上のショート動画プラットフォームです。
動画サービスであることから、動画広告をより自然に届けられる点と、ユーザーのブロック状況に関わらず配信される点も大きなメリットです。
ホーム|全世代の広範囲に利用されている
友だちリストやグループなどLINE内のさまざまなサービスの入口です。
女性の利用者がやや多く、10代~50代以上と幅広い層で利用されているため、例えば食品、飲料、日用品などの日常消費材は相性が良いです。
ウォレット|金融関連の商品と相性が良い
「LINE Pay」をはじめLINE内のお金の管理を集約したサービスで、「ウォレット」タブから利用できます。月間利用者数は5,400万人以上です。ウォレット画面はLINEポイントクラブ、LINEクーポンなど他の金融系サービスの入口にもなっています。
金融への理解や興味が高いユーザーが多いため、クレジットカードや保険、オンラインショピングなどの商品やサービスとの相性が良いです。
LINEマンガ|国内マンガアプリダウンロードNo1
スマホ向けの電子コミックサービスです。2022年12月には国内アプリ累計ダウンロード数が4,000万件を突破し、国内マンガアプリでダウンロードランキング1位になっています。男女比はほぼ半々で、30代以下が約9割を占めているため、若い層に訴求できます。
LINEポイントクラブ|40代〜50代の高年齢層ユーザーが多い
LINEの各種サービスを利用したり、LINEポイントクラブでの友だち追加や動画視聴などでポイントを貯められるサービスです。
月間2.8億PVという強力なリーチ力を持ち、40代~50代の女性が多いため、他のSNSでは届きにくい高年齢層のユーザーにも配信できます。
LINEショッピング|3億点を超える商品でジャンルが豊富
約300社、3億点を超える商品を取り扱うサービスです。LINE公式アカウントの友だちは約4,700万人以上です。
20代後半~40代前半の女性が約7割を占めているため、例えばこの層をターゲットにしているファッションや化粧品などとの相性が良いです。
LINEチラシ|パーソナライズされて掲載される
LINEアプリ内の「ウォレット」からアクセスできるデジタルチラシサービスです。
40代以上の女性ユーザーが多く、ユーザーごとに近隣店舗のチラシやレコメンド商品がパーソナライズされて掲載されます。スーパーやドラッグストアの利用者との相性が良いです。
LINEクーポン|セール情報に関心が高いユーザーに訴求できる
全国約50,000店舗の飲食店やコンビニ、ドラッグストアなどで利用できるデジタルクーポンサービスです。月間利用者数は5,200万人で40代以上の女性ユーザーが多く、ショッピングやセール情報に関心が高い層に訴求できます。
LINEマイカード|生活情報への関心が高いユーザーに訴求できる
お店のポイントカードや会員証をLINEアプリ内で一元管理できるサービスです。月間利用者数は4,700万人です。約6割が女性で、生活情報への感度が高いユーザーにリーチできます。
LINE広告ネットワーク|外部アプリやメディアにも配信できる
LINEファミリーアプリ以外のアプリに広告配信する機能です。
この広告ネットワークを通じて、提携する11,000を超える外部アプリやメディアにも広告を配信できます。
LINE広告のターゲティング効果を上げるコツ

LINE広告は非常に柔軟にターゲティングできることが大きな特徴ですが、実際に運用を始めるとターゲティング設定に悩んでしまうのではないでしょうか?
性別、年齢といった基本のターゲティングの他に効果向上を期待できる3つのコツを紹介します。
Point1:詳細ターゲティングの活用
「趣味・関心」「行動」「属性」「購買意向」の4つのカテゴリから条件を設定でき、複数の条件を組み合わせることでより協力なターゲティングができます。
例えば、ファッション関連の商材を販売する場合、以下のようなターゲティング設定が考えられます。
- 趣味・関心:ファッション、ショッピング
- 行動:オンラインショッピング頻度が高いユーザー
- 属性:20代~30代の女性
Point2: ビジネスマネージャーの活用
LINE内で得られたデータと企業が保有する独自データを統合し、LINE内外を横断したプロモーションやキャンペーンを実現するデータ活用基盤です。
- 類似ユーザーへの広告配信によるコンバージョン獲得
既存のユーザーに類似したユーザーに対して広告を配信することで、高いクリック率やコンバージョン率を期待できます。 - LINE外のデータも活用した広告配信
LINE広告に紐づいていないユーザーにも広告を配信できます。
例えば、購入済ユーザーの電話番号やメールアドレスをアップロードすれば、未購入ユーザーのみに初回購入を促すメッセージを配信できます。 - リターゲティングによるコンバージョン向上
コンバージョン経験のあるユーザーへのリターゲティングにより、継続購入を促せます。一方、購入しなかったユーザーには初回購入特典のクーポンを配信することで、新規購入を促せます。
Point3:自動ターゲティングの活用
過去のコンバージョン情報を基に、今後コンバージョンする可能性の高いユーザーをAIが自動的に選別します。手動ターゲティングと比べて費用対効果を大幅に向上できます。便利な反面、使用上の注意点があります。
- 広告効果がでるまには時間がかかる
AIの学習には最大48時間かかるため、その間はターゲット外のユーザーにも広告が表示される可能性があります。AIの学習期間中は設定変更せず、広告グループを最低24時間は継続して配信しましょう。 - 初期段階では範囲を狭めすぎない
指定範囲は「地域」「性別」「年齢」「OS」の4つです。初期段階でターゲティング範囲を狭めすぎるとAIの学習が進まず、広告表示の機会を損失する可能性があります。AIの学習が完了するまではターゲティングを広めに設定することをおすすめします。 - AIの学習効果がリセットされる
自動ターゲティングでは、設定を変更したり180日間インプレッションがないと学習結果がリセットされます。リセット後に自動ターゲティングを再開する場合は新たにAIの学習が始まるため、成果には時間がかかります。
まとめ|適切なターゲティング設定で効果を高めましょう
最後にこの記事の内容をまとめます。
- LINE広告の配信方法は2つ
- オーディエンスセグメント配信:ユーザーの年齢、地域、趣味・関心などを基に配信
- オーディエンス配信:LINEアプリの利用データや電話番号情報などを基に配信
- LINE広告の配信面はトークリストやLINE VOOMなど様々あり、外部アプリにも配信可能
- 配信効果を上げるコツは3つ
- 詳細ターゲティング:複数のターゲティング設定を組み合わせて柔軟な配信が可能
- ビジネスマネージャー:既存ユーザーと類似したユーザーへの広告配信やLINE外のデータを使った配信が可能
- 自動ターゲティング:過去のユーザー情報を基にAIが自動でターゲティング
この記事で紹介したとおり、LINE広告では多種多様なターゲティングができます。
ユーザーの興味関心をどれだけ集められるかが広告成果に直結するため、自社の目的やユーザーのことを理解し、最適なターゲティング設定を行いましょう!